花台にもなる腰かけスツール

●北海道の木材でつくるオリジナル家具
2023年の夏、旭川出張で訪れた先のトークイベントで耳にした「北海道の材料を中心に考えたモノづくり」という家具づくりの考え方にとても感銘を受けました。地元ではその土地の木材として認知されていても、積極的に活用されない地方木材があります。そのひとつが北海道の「カバ材」。
木質はなめらかで木目がとても綺麗。だけど赤太・白太という濃淡の差が激しく、印象深い縞模様が出ることもある個性的な木材でもあります。その為、万人に受け入れてもらえるような量産型の製品にはあまり好まれない材料なのです。
でも、森の循環を考えるうえで積極的な活用を求められる場合もあります。

「北海道の森」の未来を考えていくという大きなビジョン。
ただオリジナル家具を作りたいわけではありません。街の小さな家具屋がその森を活用できる量は微々たるものかもしれないけど、「inoya.」としてできることを考えて家具を作りました。

●個別販売の価値
カバ材は木目の豊かさから個体ごとに木目が異なります。必ずしも綺麗なだけが価値があるとは思いません。好きな木目、好みの色味を選んで手にすることができればより一層の愛着が生まれると信じています。

「いつまでも作り続け、そしていつまでも使い続けられる家具になってほしい」
その願いを込めて、個体ごとにレーザーで製品番号を印字しています。どうか自然な表情と向き合い、そのモノの価値を膨らませてください。

●サイズ
キッチンでちょっと腰かけたいときに座ったり、鉢植えをおいて植物を飾ったりと日常的に使いやすいコンパクトなサイズ感です。
ご自宅に30cmの隙間があれば収納できます。

●安心のオイル仕上げ
使い込むほどに味わい深くなるオイル仕上げ。
植物性オイルをベースにしたベルギーの植物性自然オイルを使用しています。サラリとした木の感触をお楽しみください。

●ここの木の家具・北海道プロジェクト
現在は、外国産材を使用した家具が一般的ですが、改めて「北海道の木」の素晴らしさ、そして「北海道の森」の持続可能性に向き合い、2014年に旭川家具の仲間たちと始めた取り組みが「ここの木の家具・北海道プロジェクト」です。木と長年向き合ってきた経験に基づいた「自主基準」を設け、積極的な活用と品質維持に取り組んでいます。このタグは北海道産材を使った家具のしるしとして取り付けられます。

●BOGENという名前
スキーの滑走テクニックの名称です。板を「ハ」の字型にして、ブレーキをかけたりターンをする方法です。このスツールには、天板から脚先までの全体的なシルエット、天板の面取りや脚部の面取りなど細部に「ハ」の字の意匠が散りばめられていることから北海道らしく用語の「BOGEN」と名付けました。

天板から脚先までの全体的なシルエット

天板面の面取り

脚部の面取り

スマートなサイズ感は、玄関、寝室などの限られた空間で使用するのもおすすめです。何気ない日常にいつもの日用品のように使っていただければ嬉しく思います。